いないいないばあおさじさんしろくまちゃんのほっとけーき11ぴきのねことあほうどりぞうさんちっちゃなちっちゃなものがたりチムとゆうかんなせんちょうさん
リンドグレーンの世界
加古里子作品
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いないいないばあ

『いない いない ばあ』

松谷みよ子/文 瀬川康男/絵 童心社 1967年

「赤ちゃんと、どんな風にコミュニケーションとったらいいでしょうか?」こんなお問い合わせをいただくことがよくあります。 この絵本はそんな赤ちゃんとご家族にぴったりの絵本です。「いない いない ばあ」と語りかけて一緒に楽しむことで、 大人もあかちゃんも笑顔になり、心の交流を通じて親子の信頼を深めるきっかけになります。 そんな読者の皆さんの体験や信頼が口コミで広がり、支持され続けてきた絵本です。(童心社)

刊行50周年
1967年4月、『いいおかお』と同時刊行され、「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズがスタート。 「あかちゃん」向けの絵本であることを明記したのは、このシリーズが初めてです。現在、いろいろな 「いないいないばあ」絵本がありますが、日本の伝承あそびの「いないいないばあ」を絵本と結びつけたのは この作品が最初。発売から50年、日本で一番売れている絵本です。



おさじさん

『おさじさん』

松谷みよ子/文 東光寺啓/絵 童心社 1969年

おやまをこえて、のはらをこえて、おさじさんがやってきました。おいしいものは、ありませんか。 あかちゃんが、“食”に親しむ1冊。(童心社)

「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズ6冊目。シリーズ5冊目の『のせてのせて』ともに、東光寺啓さんが絵を担当。 柔らかく優しい雰囲気の文と挿絵は、懐かしい温かさに満ちています。
お話は、“おやまをこえて、のはらをこえて、おさじさんがやってきました。”と、登場のおさじさん。 泣いているうさぎの坊やを励ます「ないてはだめよ。ぼくは、おさじさん。おいしいものをおくちにはこぶ、ぽっぽ」と 自己紹介の言葉も優しいです。



しろくまちゃんのほっとけーき

『しろくまちゃんのほっとけーき』

森比左志 わだよしおみ 若山憲/作 こぐま社 1972年

しろくまちゃんがホットケーキを作ります。卵を割って、牛乳を入れて…。焼き上がったらこぐまちゃんを呼んで、 二人で「おいしいね」。見開きいっぱいに描かれたホットケーキの焼ける場面は、子どもたちに大人気。(こぐま社)

シリーズ一番人気。やはりホットケーキの存在が大きいのでしょうか。 こぐまちゃんの友達のしろくまちゃんが主人公。しろくまちゃんがお母さんと一緒にホットケーキを焼きます。 道具をそろえて、卵を割って、牛乳と粉を入れてかき回します。でも、しろくまちゃんはまだ小さいのでうまく出来ません…。 ホットケーキを焼くシーンの「どろどろ」「ぷつぷつ」「ふくふく」とか、焼けていくときの擬音の変化など、 言葉の完成を触発するようにもなっています。そして、こぐまちゃんと一緒に、ホットケーキを食べるのです。 こんな要素が重なっているのですから、子ども達のお気に入りの絵本になっているのも納得の一冊です。



11ぴきのねことあほうどり

『11ぴきのねことあほうどり』

馬場のぼる/作 こぐま社 1972年

11ぴきのねこがコロッケの店をはじめました。ところが、毎晩食べる売れ残りのコロッケに、ねこたちはうんざり。 「鳥の丸焼きが食べたいねえ」と夢見ていると、そこへ一羽のあほうどりが現われて…。(こぐま社)

1967年に第1作『11ぴきのねこ』が発表されて来年で50年。今や親子3代に楽しまれるシリーズは6作。 2作目であるこの絵本は、とらねこ大将と10ぴきの仲間の愉快な冒険物語。この11ぴきが曲者で、したたかだけど、憎めない。 決して品行方正ってわけじゃなく、ちょっとずるい。だけど間が抜けていて、その上、自分たちの欲求には 忠実で甘い。でも、エネルギッシュ。その破天荒ぶりが、子どもたちの心情をくすぐり、共感と喜びを生むのでしょうね。
作者は、前作の成功を踏まえ、それ以上の作品をと5年の歳月を費やして完成させました。 「ファンの期待にこたえられないものはだしたくない」という気持ちが強く表れた結果が、現在の人気につながっているのかもしれませんね。



ぞうさん

『ぞうさん』

まど・みちお/詩 にしまきかやこ/絵 こぐま社 2016年

「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ」 だれもが一度は歌ったことのある懐かしい歌。この詩を『わたしのワンピース』の作者が、敬愛するまどさんと、 子どもたちへの愛を込めて、一冊の絵本にしました。赤ちゃんとお母さんの心をつなぐ一冊です。(こぐま社)

こぐま社50周年記念出版
童謡「ぞうさん」が絵本になりました。にしまきかやこさんの手により美しい色合いで素朴に、愛らしく描かれました。 歌うように読むもよし、語るように読むもよし、言葉一つ一つがシンプルに、そしてパステルの色合いが優しいイラストが、 温かい気持ちにしてくれる、かけがえのない一冊。



ちっちゃなちっちゃなものがたり

『ちっちゃなちっちゃなものがたり』

瀬田貞二/訳 瀬川康男/絵 福音館書店 2017年

瀬田貞二 1916(大正5)年、東京(旧本郷区湯島切通坂町)に生まれる。本郷小学校、開成中学校、第一高等学校、東京帝国大学国文科に学ぶ。 卒業後、府立第三中学校夜間部・桂友中学校の教諭となる。1942年、召集。市川市の国府台陸軍病院に衛生兵として勤務。 終戦によって桂友中学校に復職するも2年で退職。1949年、平凡社にて「児童百科事典」(全24巻)の編集を担当する。 1957年、平凡社退社。その後、川村学園、青山女子短大の講師となるが、翻訳、創作、評論、研究に精力的に取り組み、 戦後の子どもの本の世界で要(かなめ)となる活動をする。1979年、逝去。(福音館書店)

瀬田貞二生誕100周年記念出版 新刊
初出は月刊「母の友」1972年4月号 227号の付録の豆本で、挿絵は瀬川康男さんが担当。その後、瀬川さんが新たに絵をおこして 別形式で、月刊「おおきなポケット」1994年5月号 26号に掲載し、1995年11月に書籍化されました。 そして、2016年、元の豆本として再登場です。
“ちっちゃな ちっちゃな”と声に出すと、「っ」がより小ささぶりを強調しているように感じます。英語のできる人によると、 出だしの音が原文“Teeny-Tiny”に似ているとのこと。興味深いですね。



チムとゆうかんなせんちょうさん

『チムとゆうかんなせんちょうさん』

エドワード・アーディゾーニ/作 こぐま社 2011年

エドワード・アーディゾーニ イギリスを代表する絵本作家。1900年、ベトナムで五人兄弟の長男として生まれる。五歳でイギリス東部のイプスウィッチという海辺の町に移る。 事務員として働いた後、1926年、プロの画家として独立。1940年には、公式の従軍画家に任命される。1956年、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞。 1970年、ロイヤル・アカデミー会員に選ばれる。代表作『チムとゆうかんなせんちょうさん』(福音館書店)の絵本をはじめ、 挿絵画家としても高い評価を受けており、数多くの美しい本を残している。1979年11月没。(こぐま社)

完全復刻版
今回展示されるのは、こぐま社刊の『Little Tim the Brave Sea Captain』。この貴重な復刻版と原画見本を展示できることになりました。 現在世界中で出版され、日本では福音館書店刊の『チムとゆうかんなせんちょうさん』は、1955年にアーディゾーニが全面的に描き直し、判型も小さくした第2版です。
2011年、こぐま社から1936年の初版の原画そのままに、全ページオールカラー版を出版。この本は、第2版ではカットされた原画4枚をも含む完全復刻版として刊行されました。 4枚の原画は、現在ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に保管されています。この4場面をカットすることには作者も編集者も辛い決断だったと、 最近になってオックスフォード大学出版会の資料から明らかになっています。そして、現存する原画全ページを作者直筆のメモや書き込みもそのままに、 印刷、製本されています。4枚の原画がどんな場面なのか、作者のこだわりは…是非確認してみたいものですね。



リンドグレーンの世界

リンドグレーンの世界

リンドグレーン スウェーデンのスモーランド地方に生まれる。1941年の冬、肺炎にかかった娘を喜ばせようと、天真爛漫な赤毛の女の子ピッピの物語を思いつく。その物語は1945年に『長くつ下のピッピ』として刊行され、 またたくまに子どもたちの人気を集めた。その後、児童書の編集者をつづけながら、「ピッピ」の続編に加え、ロッタちゃん・エーミル・やねの上のカールソンなど、愛すべきキャラクターが活躍するさまざまな物語を生みだし、 さらに農村の子どもの生活をユーモラスに描いた「やかまし村」シリーズ、少年たちが大活躍する「名探偵カッレくん」シリーズ、空想豊かなファンタジーなど、世界の子どもたちから愛される数多くの作品を残した。 その作品は全世界80カ国以上で読みつがれており、総出版部数は1億部に及ぶ。 1958年、「国際アンデルセン賞」を受賞、そのほか国内外で数多くの賞を受賞した。 2002年、死去。同年、スウェーデン政府によりその功績を記念して「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」が設立された。(岩波書店)
『愛蔵版アルバム アストリッド・リンドグレーン』ヤコブ・フォシェッル/監修 石井 登志子/訳 岩波書店 2007年

第23回絵本原画展の始まりは、アストリッド・リンドグレーンの生き方・子ども時代の豊かさ・生き生きとした本を知って欲しい思いでした。 時をつむぐ会の中でも、夏休みなどを利用して、親子で読み、心が動いたところに付箋を貼っていきました。 今ではたくさんの付箋が、にぎやかに本に付いています。会場に、付箋を付けたまま置くので、読んで下さい。 他の人がおもしろいと思った所と、自分は違うかな?同じかな?
『暴力は絶対だめ!』石井登志子/訳 荒井良二 表紙絵原画
イロン・ヴィークランド原画他、関連資料展示



絵巻じたてひろがるえほん かわ

加古里子 作品『絵巻じたてひろがるえほん かわ』

加古里子 1926年福井県武生市に生まれる。東京大学工学部応用化学科卒業。工学博士。技術士(化学)。児童文学の研究者でもある。 現在は、出版を中心に幅広く活躍。作品は『からすのパンやさん』を代表する「かこさとしおはなしのほん」シリーズ、 「だるまちゃん」シリーズ、「かこさとしからだの本」シリーズ、『伝承遊び考』など600点余。 2008年菊池寛賞受賞、2009年日本化学会より特別功労賞を受賞。

こどものとも60周年記念出版 新刊 待望の“変身”作
あらためて『かわ』をじっくりと味わってみると、川の流れ以上に、そこに暮らす人々の暮らしぶりや息遣いを感じることができ、 探し物をするように絵本に見入ってしまいました。 絵巻じたてで、広げると7メートル。原画展会場でその圧巻の姿を体験してください。裏面の工夫も、お楽しみに。



宇宙 -そのひろがりをしろう-

『宇宙 -そのひろがりをしろう-』

「ノミ」のジャンプの話から始まり、ちゃんと宇宙の話へつながっていく意表を突く展開が加古さんの真骨頂。 こういう知識を踏まえつつ、沢山の情報を精査し織り交ぜて、読者の関心をどんどん引きつけます。 この本の一連のシリーズは、子どもの目から見たら壮大なテーマばかりですが、それを身近のところから やさしく分かり易くしてくれるのが加古さん流。絵本を広げれば、宇宙旅行ができるのです…。



だるまちゃん すごろく

『だるまちゃん すごろく』

刊行早々に高崎でお披露目。90歳の加古さんの描き下し作。日本中の伝統玩具が各県ごとに描かれた「いろはすごろく」と 「おくにめぐりすごろく」と、一枚で両面を楽しめる構成です。



だるまちゃんとかみなりちゃん

『だるまちゃんとかみなりちゃん』

数あるシリーズの中から今回は「かみなりちゃん」が高崎に来ます。2017年はだるまちゃんが生まれて50年目にあたります。 シリーズは発行部数累計650万部を超える人気作。 前作『だるまちゃんとてんぐちゃん』を出版したとき、懐古趣味的だと批判を受けたそうで、-じゃあ次は近未来だ-と、 近未来的な雷の国を創作。ワクワクの建物、乗り物や家電に美味しそうなご馳走。そして、プールや公園の遊具、テレビや家電、 家具、何もかもにツノがついていて、子どもの遊び心をくすぐるつくりになっています。